出汁にハマっている今日この頃です。味噌汁や煮物ではなく、お茶代わりに出汁をそのまま飲んでいます。麦茶を煎れるようにヤカンで湯を沸かして市販の出汁パックを放り込んで、ボトルにストックしてます。これが美味しくてゴクゴク飲めちゃうんですよね。いまではかつおだし、あごだし、鶏だし、野菜だしの四種類をローテーションしています。かつおとあごは、お吸い物の味ですね。鶏だしは鶏ガラスープ、野菜だしはコンソメスープの味を想像してもらえるとわかりやすいかと思います。ちょっと醤油や味噌を加えるだけで万能のつけダレになります。冷凍うどんや乾麺に合わせると夜食に最適です。通な飲み方としては、焼酎や日本酒などのお酒で割ってもイケます。少し加えるだけで簡単に普段食べている料理の質がワンランクが上がります。是非、みなさんも出汁のストックを試してみてください。

ピックアップ

我らの後に道は拓ける! 異世界の地図に残るプロジェクト秘話

  • ★★★ Excellent!!!

 「あしょろ組土木」は、若き女社長・足寄茜が率いる地域密着型の土木工事会社。そんな社員十五名が機材や重機ごと異世界に転移してしまった。得意の土木技術を活かし、貴族たちから道路整備の仕事を請け負うことに……。

 私たち現代人にとって綺麗な道は当たり前。しかし、土木技術が未熟な異世界では街と街を繋ぐ街道であっても獣道と同然。そんな異世界で現代技術を駆使して道路を作るという発想が面白いんです。

 茜たち、あしょろ組はベテラン揃いのプロ集団。しかしイチから道路を作るには大変な苦労があります。土地を測量して正確な地図を作り、草刈り機で雑草を刈り、ロードローラーで道をならし、大岩や樹木があれば重機を使って引っこ抜く。さらに異世界ではモンスターの脅威が待ち受ける。ときには茜たちも武器を取って戦い、道を守り抜く。そうした命がけの苦労の末に整った道が出来上がるのです。

 これで生活が便利になる!と人々は喜び、茜たちに感謝する。しかし、どんな称賛の言葉にも、あしょろ組の男たちは決して偉ぶらない。自分のやるべき仕事を当然のようにやっただけなのだから。そんな裏方の誇りを持つ仕事人たちの姿がかっこいいのです!

 名もなき土木作業員が道なき道を行き、歴史を刻む異世界ファンタジーです。


(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)

乙女の悩みに応えます 人気のイケメン教師の裏の顔はカリスマホスト

  • ★★★ Excellent!!!

 才磨女学院は創立百年を超える伝統あるお嬢様校。そんな女子校に着任した新米教師・狭間光莉は、歌舞伎町ナンバー1ホストだった。女子校にやってきた元カリスマホストが思春期の少女たちの悩みを解きほぐす学園青春物語です。

 ホスト時代に磨いたゲストをもてなすテクニックで、女生徒の心を開いていく光莉先生の教師像に憧れます。

 女子校では肩身の狭い男性教師でありながらも、若くてイケメン、洗練された身嗜み、軽快なトークでたちまち女生徒たちの人気者になっていく。

 一見するとチャラ男ですが、ゲストの好みを探るようにクラスの生徒ひとりひとりに気を配っている観察力がすごいんですよ。生徒たちの些細な仕草や言動から、隠れた悩みや本音を見抜いてしまう洞察力に感服してしまいます。

 なにより女性に対する誠実さが魅力です。ホストとしてゲストに満足してもらうために全力を尽くすように、生徒に楽しく青春を謳歌してもらうために教師として全力を尽くす。まさに理想の教師。しかし、いくら生徒たちの悩みを解決しても、片思いという新たな悩みを与えてしまいますよね。まったく、罪作りな先生です。


(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)

日本はうまし国! 日本全国のご当地グルメ食い倒れツアー

  • ★★★ Excellent!!!

 旅行雑誌の女編集者・早瀬真希が、日本列島各地の美食を探して47都道府県を食べ歩くグルメ旅行記です。

 北は北海道、南は沖縄まで、日本各地の名物料理を取り上げます。

 北海道では海鮮丼に舌鼓をうち、青森ではアップルサイダーで喉を潤し、宮城で牛タンを堪能する。福島では震災から蘇った酒造の名酒を味わい、新潟では米の旨みに打ちのめされ、山梨のほうとうで身体を温め、静岡のお茶の香りに感動し、大阪のたこ焼き、広島のお好み焼き、香川のうどん、長崎のちゃんぽん、沖縄のソーキそば。各県を代表する郷土料理の怒涛のラッシュに圧倒されます。

 食事だけではなく各地の観光地も取り上げる。長野の善光寺、大分の別府温泉、京都の清水寺、和歌山の熊野古道に鳥取の砂丘……。どこにいっても日本の豊かな自然と育まれた伝統の文化に目を見張り、地元の人々の心のこもったおもてなしに感動してしまいます。

 読むだけでお腹が空いてくる。読むだけで旅に出たくなる。日本がもっと好きになる一作です。


(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)

セカンドライフは王国で 推しキャラたちとの暮らしを描くゲームエッセイ

  • ★★★ Excellent!!!

 普段は恋愛小説を投稿している作家・朱空てぃさんによる、大好きな箱庭ゲームでの日々を綴ったプレイ日記です。

 ゲームの中の王国に住み始め、森でアイテムを採取したり、ダンジョンで魔物を倒したり、畑で野菜を育てたり、さまざまな仕事をこなしてお金を稼ぎます。とはいえ、何をするかはプレイヤー次第。仕事をするもよし、遊んで回るもよし、すべて自由なのが箱庭ゲームの魅力です。

 てぃさんは目的は、可愛い女の子とお友達になったり、かっこいい男の子と出会ったり、推しキャラとの交流を楽しむこと。お祭りやイベントで活躍したり、稼いだお金でプレゼントを贈ったり、キャラクターの好感度を上げていく。そうして親しくなっていくうちにキャラクターの意外な一面や隠されたストーリーが明かされていき、よりゲームの世界に引き込まれていく。まるで自分自身がプレイしているかのような追体験を味わえます。

 いまや動画サイトではゲーム実況が人気ジャンルになっています。もしかしたらゲームエッセイも人気を得る時代が来ているのでは?


(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)