3月になりました。花粉症の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。私は花粉なのかハウスダストなのか、それともペットアレルギーなのか……原因がはっきりしないアレルギー症状に悩まされています。そろそろ耳鼻科に行かないといけませんね。
多少のアレルギーがあってもペットはやっぱり愛しい存在です。そばにいてくれるだけで安心できますよね。そんな気持ちも込めて、今回は「異世界でもモフモフに癒されたい!」をテーマに、4作品を選んでみました。猫の異世界で密偵となった少女が妖怪たちと共に成長する冒険ファンタジー、孤独な少女が空飛ぶペットショップで不思議な動物と出会い新たな絆を紡ぐ物語、異世界に転移した青年が個性豊かな動物たちと共にのんびりスローライフを楽しむ物語、罰として犬に変えられた魔法使いと純粋な少年が贖罪と成長の旅をする優しさ溢れる冒険譚の4作品です。ぜひお楽しみください。

ピックアップ

猫と一緒にもふもふ探偵。読んでて主人公がうらやまシィ。

  • ★★★ Excellent!!!

猫が好きなのに猫を飼うことを親から許されない小学6年生の凪咲(なぎさ)
ある日の深夜に眠ってしまうと

「──もし、そこのお嬢さん」
と、イケボの声が耳もとで聞こえてくる。
目をあけてみると、そこには中世ヨーロッパの様な格好をした喋る猫がいました。
その猫は猫妖怪。猫妖怪は妖怪たちの世界に凪咲を招待します。

そこから始まる、猫と人との絆。

可愛らしい猫たちがおくる。猫、ねこ、ネコのファンタジー。

もふりたいです。うらやましいです。家にも来てください。

子供に向けた作風なので、とてもわかりやすく読みやすくなってます。

そこの、君にあなた、猫と妖怪に興味があるなら、ぜひ読んでみてください。

オススメですよ。

児童文学のような優しさとワクワク感

  • ★★★ Excellent!!!

不思議なペットショップと不思議なペット、これだけで実に雰囲気がファンシーでいいですね。
それでいて細かなところは描写ごと排除して現実感やリアリティを廃し、ファンシーな雰囲気に集中できるように働きかけています。
つまり、作品全体に優しさが広がっているような、安心感に満ちた雰囲気がこの作品にはあります。
複雑なことは考えず、童心に帰ったような気持ちで本作品を読んでみてはいかがでしょうか。

ただ広がる美しい世界…ってここ、どこ!? 今から異世界生活始めます!?

  • ★★★ Excellent!!!

俺は川瀬 耕〔かわせ こう〕。普通の大学一年生。
バイト帰りに拾った機械(白い石?)にあったボタンを押してみると、一瞬で景色が一変した。

「―—え?!ここどこおぉぉぉぉ!」

まさかの、異世界転生? いや、現実世界に戻れるから転生はしてないか。
しかも、異世界にいる俺が持ってるのは……園芸(ガーデニング)と、信頼スキル!?

今日から異世界ほのぼの生活始めます!?


物語が面白いです!
まるでゲームの中のような世界観で、見ている方も楽しいですよっ!

是非、見てみてください!

人を傷つけない優しい魔法に触れて、大悪党魔法使いはどう変わるのか。

  • ★★★ Excellent!!!

私利私欲のために魔法を使う大悪党魔法使いバーナードに、師匠である西の大魔法使いアナベルから制裁が下った。バーナードは犬にされてしまったのだ、わふんっ。元に戻るには魔法で良い行いをしてマナを貯めるしかない。かくしてワンコの更生旅は本人が納得しないままスタートしたわけだが、この旅でバーナードは世界一優しい魔法使いになることを夢見る少年オリヴァーと出会う。魔力量が桁違いのオリヴァーに隠された秘密とは。なぜ彼はそこまで優しい魔法にこだわるのか。大悪党バーナード犬と心優しいつよつよ弟子の凸凹コンビは、山の麓の町コーランドで死者蘇生を望むとある少女と出会う――。


心温まり、時に締め付けられ。一貫して「優しさ」について考えさせられるストーリーです。「小さな親切大きなお世話」という言葉がありますが、優しさが空回りする場合もあるし、一方への優しさがもう一方を傷つける場合もある。それでも優しい魔法使いでありたいと願うオリヴァーとの旅で、バーナードのまだ見ぬ一面がもっと見れる日が訪れたら良いなと思いました。

それと本編と関係ない部分なのですが、作者様の「読ませる力」をひしひしと感じました。構成なのか、言葉選びなのか、センスという一言で語るにはあまりあるほどの強烈な吸引力があるのです。魅力的なキャラクターと奥行きのある世界観、そして読みやすさが加われば、次へ次へとどんどんページを捲ること間違いなし。読み手にも書き手にもぜひ読んでいただきたい一作。どうかご一読あれ!