空気

『空気は読むものではなく吸うものである』

書き出しお題で、このフレーズに続く言葉を大勢が記したら、どれだけヴァリエーションがあるだろう、と拝読して思いました。
そして、その中でも、きっとこのお作品の言葉は易しく優しく、興がありながら、意を伝えてしまえる美しさに映える、と私は想像します。こんな風に表現できません。

言葉の纏う「空気」が、空気本来の透明や柔らかさを体現する文で、この内容を刻まれますと唸るしかありませんでした。

これはご覧頂かないと伝わらないと思いますので、開いてみてください。是非。

空気読みに疲れたら、緑したたる公園で、そっと深呼吸してみよう。
空気ってこんなにおいしいのかって、きっと感じるはず。

　読んで共感。そしてスッと胸のつかえが取れるような素晴らしい詩です。

　『空気を読まずに本を読もう』

　この言葉に思わず頷かずにいられません。

　「空気を読む」なんて言葉が猛威を振るい始めてからはや二十年以上の時が流れていますが、酷い息苦しさを感じている人は少なくないはず。

　本来は吸うはずの空気を読むのに使ったら、それは酸素が足りなくなるのに決まっている。
　
　人はいつしか嫌な空気に屈して生きる「嫌気性生物」になりかかっていたのかしれない。
　だからこの言葉を胸に刻み、ちゃんと空気を吸って生きる「好気性の生き物」として暮らしていきたい。

　そう強く思わされました。

人は過ちを重ねる。

作者の意図にぴったりそぐうかはわからないが……

「空気を読む」という概念自体はなるほど素晴らしい能力かもしれないが、言語化する上で「空気」を矢面に立たせてしまっている点が、議論を醸し出すところであると思われる。

実際に「空気を読む」が人間によって実践される時、実際に読むのは、媒介物である空気自体ではなく、空気中に、別な己の気を流した人間のそれ、である。

空気の媒介能力、伝達能力には限界がある。気の発信者たる人間のセンス次第で、いわゆる「空気を読む」が完遂されるか否かが決まるという本質的考えなしに「空気を読む」という言葉を独り歩きさせるのは、空気に対して失礼である。…続きを読む